鉄道・旅・歴史メディア事業を展開する株式会社天夢人は、2021年6月17日に、『町田忍の昭和遺産100 令和の時代もたくましく生きる』(町田忍著)を発売します!
町田忍の昭和遺産100 令和の時代もたくましく生きる
仕様:A5版 240ページ
定価:1980円(本体1800+税10%)
発売日:2021年6月17日
庶民・風俗文化研究の第一人者・町田忍が、現在の生活にも大きな影響を与え続ける昭和時代の生活文化を「町田忍認定 昭和遺産100」として総括。
筆者がフィールドワークで撮りためた500点の貴重な資料写真とともに、ポストコロナの令和時代をたくましく生きるための「力」となるさまざまな昭和遺産に斬り込んでいく。
巻頭では「町田忍の昭和遺産ベスト20」として、筆者独自の視点から極め付きの昭和文化20を紹介。
本文では、「輝き続ける商品」「永遠の建築」「愛される乗り物」「元気なサイン」「娯楽の殿堂」「街頭のシンボル」「絶滅危惧種」の各章にわけ、20選を含めて全100選をビジュアライズ。
そのほか、巻頭に筆者の昭和文化考察、センター頁に書き下ろしのカラーイラストを展開した「30・40年代グラフィティ」、筆者の昭和研究60年を振り返る「町田忍昭和研究60年 あゆみ」、戦後の風俗文化の歩みを年表で追う「事件・文化・モノ&流行年表」などと、昭和遺産を多角度から掘り下げる。
筆者が取材で出会った昭和文化の担い手たちに登場いただき、昭和文化の一コマを切り取る「コラム・昭和の語り部」も貴重な記録。ジオラマ作家・山本高樹と町田忍合作のジオラマ「1953年の町田家」「銭湯浪漫」も、“昭和のドラマツルギー”が感じられ、心がほっこりとする。
本書のページサンプル
本書の目次
まえがき
心に昭和時代を「ストック」して、令和時代に「フロー」しよう!
第1章 BEST20昭和の玉手箱
│001│実用自転車│商店主は実用自転車さえあれば独立できた
│002│宮型霊柩車│35台が廃車になると、昭和生まれの文化の灯が消える
│003│ 宮造り銭湯│関東大震災後の歌舞伎湯からはじまった
│004│ペコちゃん│日本人の心を癒やす身長1m、永遠の6歳
│005│コーワのカエル│キューピーの体をヒントにカエルの店頭人形が生まれた
│006│遊廓建築│唐破風が遊び客を出迎えた昭和の異空間
│007│滑り台│昭和の滑り台は、コンクリート製の手作り
│008│ホーロー看板│国民に愛され続ける大村崑のホーロー看板
│009│交番│一気に〝絶滅危惧種〟化している戦前の交番
│010│ 消火栓│一種のオブジェとして見ると存在感が増す
│011│トタン板│塗料のマチエールは「わび・さび」の世界
│012│サインポール│サインポールの色と形状は世界共通
│013│顔出しパネル│デジタル社会となってプリクラへ進化
│014│ストリップヌード劇場│舞台は裸の女性が遊ぶ幼稚園の庭!
│015│見世物小屋│悩ましい美女の絵を描く絵師はもういない
│016│秘宝館│かつてはテレビコマーシャルも放映していた
│017│喫茶店│1軒1軒に個性があった昭和時代の喫茶店
│018│酒屋の看板│欅造りで金箔や漆を使用した立派な工芸品
│019│白ポスト│都内最後の白ポストは西日暮里駅通路!?
│020│自由の女神像│本家より多い日本の小さな自由の女神像
第2章 輝き続ける商品
│021│正露丸│兵士は1粒をニワトリ1羽と交換した!
│022│赤チン│2020年、赤チンの灯は完全に消えた!
│023│富山の配置薬│配置薬を富山の中心産業にした前田正甫
│024│ケロリン桶│ケロリン桶には東京型と関西型がある
│025│水中花│松坂慶子「♪私は愛の水中花〜」の水中花
│026│ラジオ│ドキドキしながら聴いた海外の短波放送
│027│プラモデル│小さな箱には大きな夢が詰まっていた
│028│若者雑誌│配達が待ちきれずに近所の本屋へ走った
│029│セルロイド│プラスチックでは出せない質感が懐かしい
│030│ティントイ│美しい「オキュパイト・ジャパン」は高値の花
│031│蚊取り線香│線香とヘビのとぐろから「渦巻」が生まれた
│032│鯨肉│「国際条例に基づく捕鯨調査の副産物」
│033│印鑑店│全名字の80%をカバーする印鑑スタンド
│034│アイス│ソフトクリームは進駐軍が持ち込んだ
│035│ひょうちゃん│「ひょうちゃん」は昭和のコレクターズアイテム
│036│甘栗太郎│2社で販売されている甘栗太郎
│037│グリコ│先発の森永製菓に対抗、パッケージは赤
第3章 永遠の建築
│038│帝冠建築│日本建築史に燦然と輝く和洋折衷の美学
│039│病院建築│詩人・立原道造が設計した聖ヨゼフ病院
│040│百貨店建築│日本橋高島屋は百貨店建築初の重要文化財
│041│テレビ塔│テレビ塔の多くは〝塔博士〟内藤多仲が設計
│042│戦争遺産│強烈な存在感を放つ宮崎市の平和の塔
│043│同潤会アパートメント│表参道ヒルズの〝同潤館〟でタイムスリップ
│044│戦前の小学校│銀座の一等地に残る文化遺産・泰明小学校
│045│屋上神社│呉服屋時代の伝統が生きている!
│046│和風旅館│ピカピカの造作に時間が凝縮されている
│047│煙草屋│煙草は嗜好品ゆえに店はタイルで飾られる
│048│木造建築│遠い記憶の舞台となる木造建築
│049│ユースホステル│最盛期には日本国内に587カ所もあった
第4章 愛される乗り物
│050│スーパーカブ│1ℓで60㎞以上も走る働き者の国民的バイク
│051│ボンネットバス│「昭和の町」を昭和のバスがのんびりと走る
│052│オート三輪│商店街の経済を支えたダイハツミゼット
│053│路面電車│ビートルズの公演は渋谷から都電10番で行った
│054│ビートル│50年近くも乗り続けている青春の愛車
│055│蒸気機関車│蒸気機関車には人間と機械の原点がある
│056│人力車│明治に登場した人力車は日本人の3大発明
第5章 30・40年代グラフィティillustration by Shinobu Machida
消防自動車/ロードローラー/オート三輪/路面電車/乳母車/ジュークボックス/赤電話/足踏式ミシン/電気アイロン/牛乳箱/貸本屋/駅前旅館/骨接ぎ/パーマ屋
第6章 元気な「サイン」
│057│ビクターの犬│亡き主人の声を蓄音機の再生で聞いた忠犬
│058│サトちゃん│昭和57年には妹のサトコちゃんもデビュー
│059│ピョンちゃん│ニックネーム募集で応募1万通から決定
│060│小便小僧│毎月1回衣替えをするステーションアイドル
│061│キングコング│憎めない愛らしさ。宣伝効果はあなどれない
│062│仁丹町名看板│戦災をまぬがれた街に残る仁丹の町名看板
│063│力王看板│疲れないスニーカー式は筆者も愛用する
│064│カーネルおじさん│カーネルおじさんの人形は日本で生まれた!
│065│くいだおれ太郎│〝70歳〟を超えても〝元気〟な大阪のシンボル
│066│マネキン人形│マネキンは下半身が同じアンドロギュノス!
│067│狸の置物│商売繁盛、いいことづくめの愛嬌者
│068│チンドン屋│ニューウェーブも登場。チンドン屋文化は続く
│069│映画館手描き看板│独特な雰囲気で、映画館の銀幕が恋しくなる!
│070│看板建築│関東大震災後の不燃化要請で生まれた様式
第7章 娯楽の殿堂
│071│遊園地│遊園地のアトラクションは昭和そのもの
│072│芝居小屋│梅沢劇団を育てた大間々の「ながめ余興場」
│073│ラブホテル│洋式「ラブホ」の登場は大阪万国博覧会以後
│074│ボウリング│女子プロボウラーたちはアイドル人気となった
│075│おみくじ│自動頒布機は二所山田神社の宮司が考案
│076│軍人将棋│黄色と橙色の駒が盤上でせめぎ合う頭脳戦
│077│駄菓子屋│子供の頃に戻れる駄菓子屋ゲーム博物館
│078│軍国酒場│ビールは魚雷、焼酎は爆弾で注文!
第8章 街頭のシンボル
│079│丸型郵便ポスト│豊川稲荷境内では現役最古が元気に活躍
│080│木製牛乳箱│朝「カチーン、カチン」と聞こえた牛乳瓶の音
│081│街頭ゴミ箱│東京オリンピック開催で一掃された街頭ゴミ箱
│082│小原型日時計│世界一の日時計作家が昭和に残した傑作群
│083│マンホール│東京大学の構内は、マンホール鑑賞の名所
│084│新聞少年像│新聞少年像は「希望の光」を放つモニュメント
│085│警察官人形│塗料が剥げ疲れた顔はお地蔵様だ
│086│飛び出し坊や│杖をついた老人〝飛び出しじいさん〟も
│087│防火用水│初期消火にしか効果がなかった防火用水
│088│井戸│機能的で美しい昭和時代の手押しポンプ
第9章 絶滅危惧種
│089│ペナント│修学旅行土産の王座から転落して久しい
│090│ボーイスカウト│「そなえよつねに」の精神は不滅である
│091│黒電話│高校時代は1通話10円でかけ放題
│092│アイビー(IVY)│アイビー以前・以後で若者文化が変わった
│093│栞│時代背景が如実に読み取れる庶民文化
│094│謄写版印刷│昭和中期までの大衆文化を支えたガリ版
│095│貝細工│江ノ島などで作られて全国に出荷された
│096│ラーメンバス│幸せに第2人生を過ごしているバスたち
│097│かき氷│早くも明治初期に赤・青・白の氷旗が登場
│098│薬味紙│薬味紙は小さな小さな町の情報紙
│099│ジャルパック│すべてがパッキングされた画期的旅行商品
│100│屋台│法的な規制から新規の路上営業は難しい
第10章 事件・文化・モノ&流行年表
クールジャパン・観光立国は、43年間の「昭和遺産」によって培われた
第11章 町田忍 昭和研究60年 あゆみ
メンコや板チョコラベル、東京オリンピック関連のコレクションからはじまった
あとがき
令和時代を生きるヒントは「昭和遺産」にこそある
コラム
銭湯絵師│銭湯2千軒時代、1日2軒の銭湯絵を描いた
鋳物師│〝昭和の製法〟で銑鉄を商品に変える鋳物工場
船大工│港をチョロチョロと動き回るから「オチョロ舟」さ
三助│戦前には都内だけで千人以上も活躍した三助
捕鯨船店主│店主の名言は「ばかやろ!俺が浅草だぁ」
紙芝居屋│拍子木が太鼓に変わった日、おじさんは去った
靴磨き屋│おじいさんは東京オリンピックの前年から営業
汲み取り屋│排水を側溝に流し、糞尿船が行き交っていた時代
ジオラマ
1953年の町田家/銭湯浪漫
筆者プロフィール
町田忍(まちだ しのぶ)
昭和25(1950)年、東京都目黒区生まれ。和光大学人文学部芸術学科卒。大学時代に博物館学芸員資格取得の実習で訪れた国立博物館で博物学に興味を抱く。在学中から全国を旅して、ヨーロッパ、アメリカ、東南アジアを放浪。その後、警視庁警察官を経て、近・現代の庶民文化(特に風俗意匠)を研究するため、庶民文化研究所を設立。現在は執筆活動の他、コメンテーター、コーディネーター、映画・テレビ・ラジオ出演、ドラマの時代考証などと多方面で活躍している。生活文化、意匠文化、昭和遺産探訪などの著書多数。散歩の達人としても知られ、関連DVDなども手掛けている。子供の頃からの鉄道ファンで、蒸気機関車や路面電車の過去・現在・未来を追いかけ続ける。
町田忍の昭和遺産100 令和の時代もたくましく生きる
仕様:A5版 240ページ
定価:1980円(本体1800+税10%)
発売日:2021年6月17日