WEBサイトの制作依頼を受けている中で、こんな質問を頂いたことがあります。
「そもそも、WEBサイトってなんのためにあるんですか?」
これからWEB制作を依頼する方が、このような質問をするのはおかしいと思うかもしれませんが、けっこう核心を突いた問いかけです。
質問の意図としては、「SNSが盛んな今の時代、Facebookやinstagramなどで情報発信をすれば十分で、公式のWEBサイトを持つ理由や目的がわからない」ということです。
この質問に的確に答えられなければWEB制作の商売が成り立たないので、WEBサイトの目的や存在理由を網羅的に解説したいと思います。
それでは、そもそもWEBサイトとはなにか考えていきましょう。
WEBサイトかホームページか、正しい名称
目的別の分類をする前に、まずは名称について整理したいと思います。
WEBサイトのことを何と呼ぶかは人によって違うと思いますが、たいていの場合、以下のうちのどれかでしょう。
- WEBページ
- WEBサイト
- ホームページ
どれが正しいということもありませんが、語源を辿っていくと“ホームページ”という言葉はブラウザを開いた時の最初のページと言う意味が強いです。
実際にブラウザの設定項目にホームページってありますよね。
また、WEBサイトはサイト全体で、WEBページはページ単体を示す言葉として使うのが正確だと思います。
以上のことから、「WEBサイト」という呼び方が妥当かと思います。
WEBサイトの目的別の分類
ここから分類に入っていきたいと思います。
まずは、これからで説明する全ての分類を羅列します。
- 公式サイト
- 広告サイト
- ECサイト
- WEBサービス
- WEBアプリ・ブラウザアプリ
- メディアサイト・ブログサイト
- ポータルサイト・リンク集
このような7つの分類になります。
どんなWEBサイトも、このどれかに分類することができ、それぞれに目的があります。
※1つのサイトでこの中のいくつかに該当するサイト、複合的なサイトであることがほとんどです。
それでは、ひとつ1つ解説していきます。
公式サイト(オフィシャルサイト)
公式サイトとは、企業や団体、グループやアーティストなどのオフィシャルサイトのことです。
目的は、オフィシャルな情報発信、ブランド性の表現、商品やサービス、作品の紹介など多岐にわたります。
実際の例はあげるまでもないと思います。
様々な企業や芸能人、あるいは展示会などのサイトも公式サイトと言えます。
公式サイトはこの次にあげる種類と複合している場合がほとんどです。
広告サイト
広告サイトとは、商品やサービスの紹介に特化したサイトのことです。
ランディングページ(LP)もこれに該当します。
例えば、企業の公式サイトが母体として存在し、その中で商品の紹介はしているけど、あえて1つの商品だけに特化したWEBサイトを作り、そのサイトだけで商品の認知から購入まで完結するようなページです。
SNSやブログに付いている広告からの導線がこれに繋がっている場合が多くあります。
ECサイト
ECサイトは、EC(Electronic Commerce)=電子商取引サイトのことで、サイト上で買い物ができるものです。
大きく分けて、モール型と独立型があります。
モール型は、Amazonや楽天、ZOZOタウンのように、複数の企業や店舗が出店している形態のECサイトです。
独立型は、1つの企業や店舗だけで運営しているもので、大きなものではヨドバシカメラのサイトなどです。小さなものではお菓子屋さんのオンライン販売や、個人であってもECサイトを持つことができます。
WEBサービス
WEBサービスは、主にSNSなどのサービスです。facebookやTwitterなど有名なものだけでなく、SNSは数えきれないぐらい存在します。
SNSだけでなく、WEBサイトそれ自体が企業の商品やサービスであるものは、WEBサービスに該当します。
Googleの様々なサービスもWEBサービスです。
WEBアプリ・ブラウザアプリ
WEBアプリ・ブラウザアプリは、スマホアプリ、パソコンアプリなどと同列に並ぶ言葉として、WEB上・ブラウザ上で動くアプリケーションという意味です。
SNSはもちろんですが、ブラウザでできる占いサイトや計算ツール、あるいはゲームなどがこれに該当します。
ほとんどの場合、WEBアプリはWEBサービスです。
しかし、WEBアプリは企業の商品やサービスだけでなく、個人制作のアプリケーションなども多く存在しているので、WEBサービスとWEBアプリとで言葉の棲み分けをしました。
メディアサイト・ブログサイト
メディアサイトは、例えば新聞社や雑誌社がWEB上でニュース発信しているものなどがメディアサイトです。
ブログサイトは、メディアサイトより規模が小さく、個人やグループで情報発信をしているものです。
これらのサイトは大抵の場合、更新頻度が高いです。
メディアサイトなら毎日数回以上、ブログサイトでも1日1回~週に1回くらい更新されるサイトが多くあります。
各企業のサイト内にも「オウンドメディア」という形でメディアサイトを持っているサイトが多くあります。
ポータルサイト
ポータルサイトは、Yahoo!やライブドアのトップページのように、大規模なWEBサイトが、その入り口に案内用ページとして用意しているものです。
ネット系の企業だけでなく、SONYなど大手企業でも、事業が多岐に渡り各国向きのサイトがあったりと大規模になる場合には、そのトップページはポータルサイトとなっています。
複合サイトの実例
WEBサイトの7つの目的別分類を解説してきましたが、先ほどの通り、実際にはこれらのいくつかが複合的に組み合わさったサイトになっている場合が多いです。
例としてSONYのサイトを例に図にしてみました。
膨大なコンテンツの中の一部のページになりますが、このように見てみると公式サイトというくくりの中に、WEBサイトとしての色々な目的が入っていることが解ります。
WEBサイトの目的のまとめ
冒頭に紹介した「そもそもWEBサイトってなんのためにあるんですか?」という質問に対して、以上の解説で説明ができるのではないでしょうか。
逆に言うと、これらに該当しないWEBサイトがあるとしたら、かなりセンセーショナルな新しい存在となり得ると思います。
WEBサイトはビジネスツールですから、必ず目的があります。
その目的を達成できるWEBサイト作りができるよう、なんのために作るのかを見失わないことが肝心です。