MX Mechanicalのキースイッチに潤滑剤を注す方法と注意点

はじめに

この記事ではLogicool(ロジクール)のMX Mechanical及びMX Mechanical Miniのキースイッチに潤滑剤を注す(ルブをする)方法と注意点を紹介していますが、あくまで筆者の経験談と独自手法であり、紹介内容を実践する際には自己責任にて行うようお願い致します。

また、今回紹介するのはMX Mechanicalの赤軸(リニア)です。

メカニカルキーボードへ潤滑剤を注す目的

MX Mechanicalを含めメカニカルキーボードのキースイッチに潤滑剤を注すことは様々な記事や動画でも紹介されており、拘りのある人にとっては一般的な”お手入れ”なのかと思います。
その目的は1つではないかと思いますが、私は主に打鍵音の軽減のために行いました。
打鍵音の中でも「キンキンと鳴る金属音」を軽減するためです。
買ったばかりの新品の状態でも全てのキーのうち2割程度はキンキンとバネが鳴るような音がしました。

潤滑剤を注すことによって金属音が軽減、もしくは完全に無くなります。

潤滑剤として使用したものはシリコンスプレー

キースイッチ専用の潤滑剤や油も売っているようですが、今回私が使用したものは呉工業のシリコンスプレーです。

KURE(呉工業) シリコンスプレー 420ml 潤滑・離型剤
材質:シリコーン
ブランド:KURE(呉工業)
パッケージ情報:カン
液体容量:420 ミリリットル
商品の重量:0.36 グラム

Amazon

キースイッチへの潤滑剤としては私が調べた中では最も多く紹介されている物かと思います。

なのでここから先は潤滑剤ではなくシリコンスプレーと表記します。

キースイッチにシリコンスプレーを注す方法

ここから本題ですね、このシリコンスプレーをキースイッチに注すにあたって実際に私が行った際にあったミスと注意点、これの回避策や解決策をご紹介します。

適当に吹き付けるのはやめた方が良い

まず、適当に吹き付けるのは良くなかったです。
これによって意図しない部分にシリコンスプレーが入り込んでしまうミスが発生しました。
具体的に言うと、下記画像のようにキースイッチの内部の可動部分(赤いパーツ)と、外側のケース部分(透明部分)との隙間に液が入り込んでしまいます。

ここに液が入り込むと、表面張力によって微弱な力でくっ付いている状態になります。
こうなると、キーを押す最初の瞬間にこの粘着を剥がすような感覚が発生するようになり、本来の打鍵感を損なってしまうという現象が発生しました。

しかもこれ時間が経っても乾かないので、粘着感がずっと残り続けるんですよね、、
MX Mechanicalのキースイッチが透明だったから気が付けたものの、そうでなかったら判らなかったかもしれません、、

もしシリコンスプレーを既に吹きかけたという人がいれば、上記の状態になっていないか確認してみると良いかと思います。

入り込んでしまったシリコンスプレーの除去方法

意図しない部分にシリコンスプレーが入り込んでしまった際、私はエレクトロニッククリーナーで解決をしました。
エレクトロニッククリーナーはシリコンスプレーと同じく呉工業の商品で、速乾性があり電気・電子部品の洗浄に使用できるものです。

KURE(呉工業) エレクトロニッククリーナー 380ml 電気・電子パーツクリーナー
材質:石油系溶剤
ブランド:KURE(呉工業)
パッケージ情報:カン
液体容量:380ミリリットル
商品の重量:360 g グラム

Amazon

私が行った方法は2種類で、
1)キースイッチ全体を丸ごと洗うように吹き付ける
2)粘着部分だけの洗い流すように慎重に隙間に吹きかける

そもそもシリコンスプレーを大量に入れすぎてしまったと思う場所には1の方法でどばっと吹き付けました。

良い感じにシリコン出来てるけど、粘着部分だけ剥がしたいときは2の方法で行いました。

1の方法で完全に洗い流すと、完全に油分が無くなるせいか金属音が初期状態よりも増すような感覚がありました。

エレクトロニッククリーナーの使い方に関しても自己責任にてお願いします。

シリコンスプレーのお勧めの吹き付け方

じゃあ結局どんな方法でシリコンスプレーを注すのがいいのか、いろいろ検討した中で私は「ストローでガードしながら吹き付ける方法」が最も良かったと思います。

下記画像の通り、キースイッチの軸の外側にシリコンスプレーが付くと、内側の赤パーツとクリアパーツの隙間に入り込んでしまいます。
これを防ぐためにストローなど筒状のものを軸に挿してスプレーするといいです。

このストローの中にスプレーに付属の細い赤い管を入れて吹き付けます。

また、キースイッチを押しながら吹きかけると、より隙間に入りやすくなってしまうので、押さずに吹きかけた方が良いと思います。

ただ、それでも吹き付けの際に内部でスプレーが広がると、先ほどの隙間に入り込むことがあります。
そのため、私はストローを使ったシリコンスプレーとエレクトロニッククリーナーを繰り返しながらベストな状態を目指すという作業を繰り返しました。

精密な調整や完璧な仕上がりは難しく、ある程度妥協は必要。

先ほどの吹き付け方法や失敗した場合のエレクトロニッククリーナーでの洗い流しなどをやることで、細かい調整ができるようにはなりました。

ただ、結果的に今現在全てのキーが完璧な状態というわけではなく、タイピングしているうちにいつの間にか隙間にシリコンスプレーが入り込んでいる場合や、何度吹きかけても金属音が無くならないキーがあったり、打鍵感や打鍵音もキーによって若干の違いがあります。

結論的には、どうしても金属音が気になる等でなければシリコンスプレーでの潤滑注しは行わない方が良いのではないかと思っています。

とは言え良い感じに仕上がっているキーは本当に高級キーボードのようで気に入っているんですけどね。

もし注油をお考えの方は上記ご参考のうえで慎重に行うと良いと思います。

この記事をシェアする

  • Twitterにシェア
  • facebookにシェア
  • LINEにシェア
  • POCKETにシェア